とあるフリースクールにお邪魔して、年齢も状況も様々なこどもたちに声をかけ一緒に風景構成法を描いてみました。風景構成法に限らず、アートセラピーの良いところは、描くことそのものが楽しい体験であること。加えてこうして一緒に描いた他者の作品を鑑賞することで、その人について今まで知らなかったところに触れられたような、親しくなれる(仲良くなる)体験となること。また、絵を見ながらだと会話が苦手な人も言葉が出せる、対話的な時間を過ごせます。
作品を鑑賞する際は、まずは全体的な印象を味わいます。総じて明るい感じがします。
色使いがきれい。丁寧に塗られている。人の表情まで描かれている。笑っている顔。太陽がでている。お花がたくさん・・・・そんなところからこの場所がこどもたちにとって心地よい居場所になっているのだなあと感じます。
一方で、明るい雰囲気の中に(太陽も出ているけれど)雲もある。という点も受けとめたい感じがあります。楽しいんだけれど、前を向いているんだけれど、ちょっと気がかりだったり不安になることもあるよね・・・って感じでしょうか?そういう部分もあるかもしれないなということは胸に収めつつ、みんなの感想や気づきを聞いていきます。
描かれた部分についての質問や描くのが難しかったところ、迷ったところなどについて語られた場合は、その部分について問いかけたり、受け取れそうな意味づけを少し話すこともありますが、絵をキッカケにして語ってもらうこと自体を大切にしています。
私自身は一枚一枚を鑑賞し、その子自身の置かれている状況や心持ちについて思いを馳せますが、多くは胸に留め、表現されたものを受けとめ、「また描こうね」と言葉がけをします。
言葉にしにくい心の風景を表現できた。それを受けとめてくれる人がいた。そのことだけで、不思議かもしれませんがその子の人生は前に進んでいく・・・・描かれる作品の変化にその子自身の歩みを感じさせてもらう営みです。
風景構成法を描くことは、描く人を変えることではありません。むしろ鑑賞する側の眼差しを変える、、、そんな取り組みなのかもしれないな・・・と思います。
ご興味がありましたらお気軽にお問合せください。画材他一式、こちらで準備して伺わせていただきます。